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台湾の病院で出会った「雋」という漢字。中国語の奥深さを知った話

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台湾で生活していると、日常のふとした場面で、中国語の奥深さに気づかされることがあります。今回は、台湾の病院で出会った「雋」という漢字をきっかけに、台湾人の友人との会話や辞典での調査を通して、新しい発見があった話をしたいと思います。
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台湾の病院で見つけた、読めない漢字

病院を訪れたときのことです。医師の名前を見ていると、見慣れない漢字が目に留まりました。

それが「雋」です。

日本で生活していると、あまり見かけない漢字だと思います。中国語を勉強していても、普段の会話や一般的な教材では、なかなか出会う機会がありません。もちろん、読み方もわかりません。

そこで、台湾人の友人に尋ねてみることにしました。

台湾人の友人に「雋」の読み方を聞いてみた

私が尋ねたのは、台湾生まれで、両親も台湾人という友人です。「この漢字はどう読むの?」と聞くと、「たぶん『jùn(ジュン)』だと思う」と教えてくれました。

さらに友人は、名前の「雋」について、こんな見立てを話してくれました。

本来は「俊」と書くところを、「雋」に込められた意味を考えて、親がこの字を選んだのではないか。

「俊」は比較的なじみのある漢字です。そこに、少し特徴のある「雋」を選ぶ。そこには親の思いがあるのかもしれません。

ただし、これはあくまで友人の見立てです。実際にどんな理由でこの名前がつけられたのかは、ご本人やご家族にしかわかりません。

そこで、「雋」にどんな意味があるのか、辞典で詳しく調べてみることにしました。

辞典で調べてわかった「雋」の意味

調べる際に利用したのは、台湾の教育部が公開している『重編國語辭典修訂本』です。

辞典を確認すると、「雋」には2つの読み方があり、それぞれ品詞や意味が異なることがわかりました。

注音符号 拼音 品詞 主な意味
ㄐㄩㄢˋ juàn 形容詞 言葉や文章の意味が深い
ㄐㄩㄢˋ juàn 名詞 姓
ㄐㄩㄣˋ jùn 名詞 才能が人より優れた人(「俊」と通じる)
ㄐㄩㄣˋ jùn 形容詞 傑出している、抜きん出ている

同じ漢字でも、読み方によって意味が大きく変わります。中国語には、このように複数の読み方を持つ漢字があり、文脈によって読み方や意味を判断する必要があります。

これを多音字といいます。

え?中国語の先生からは、漢字はそれぞれ一つの発音が基本だから覚えやすいって言われたのに…そう思った人もいるかもしれませんが、日本語は多音字だらけなので、それに比べれば中国語の多音字なんて可愛いもんですよ。

1.「juàn」と読む場合:意味が深い/姓

juànと読む場合は、言葉や文章の意味が深いことを表します。辞典には「雋永」「雋句」「雋語」という例が挙がっています。

  • 漢字: 雋永
  • 拼音: juàn yǒng (ジュエン ヨン)
  • 意味: 意味が深く、味わいがある

読んだ直後だけでなく、時間がたってからも心に残るような文章をイメージすると、わかりやすいかもしれません。

また、juànは姓としても使われます。辞典には、漢代の人物として「雋不疑」が例に挙げられています。名前の漢字として出会うときは、姓の位置にあるのか、名の位置にあるのかも手がかりになりそうです。

2.「jùn」と読む場合:才能が優れている

もう一つの読み方が「jùn(ジュン)」です。

名詞としては「才能が人より優れた人」を表し、辞典には「俊」と通じると書かれています。形容詞としては「傑出している、抜きん出ている」を表し、「雋才(jùn cái)」という例が挙がっています。

  • 雋才(jùn cái): 傑出した才能がある

辞典には古典の用例も載っています。たとえば『晉書』には「才器雋秀」という一節があり、才能や器量が優れていることを表しています。

「俊」という漢字を知っていると、意味を理解する手がかりになります。ただし、「通」とは意味や用法が通じるという関係で、あらゆる場面で置き換えられるという意味ではありません。漢字の使い方は、辞典の説明や実際の用例に沿って理解することが大切です。

「雋」と「俊」はどう違う?

2つの漢字を整理してみます。

漢字 拼音 意味のポイント
俊 jùn 才能が優れている/容姿が美しい
雋 jùn 才能が人より優れた人、傑出している(「俊」と通じる)
雋 juàn 言葉や文章の意味が深い/姓

「俊」と「雋」は、jùnと読むときに「優れている」という意味でつながっています。一方、「雋」にはjuànという別の読み方もあり、言葉の深い味わいを表す意味も持っています。

ここで、友人の見立てをもう一度考えてみます。「俊」と同じ「優れた人」の意味を持ちながら、「雋」にはさらにjuànの「深みのある」という意味もあります。そう考えると、この字を選んだ背景には、いろいろな思いがあったのかもしれません。ただし、これは私の想像にすぎません。

台湾の人名から学べること

今回の出来事で興味深かったのは、教科書ではなく、実際の生活の中で新しい漢字に出会ったことです。

台湾で生活していると、人名や地名、看板、書類などを通して、学習教材ではあまり見かけない漢字に出会うことがあります。特に人名には、普段の文章ではあまり使われない漢字が含まれている場合もあります。

漢字の意味から名前の読み方を推測できるとは限りません。今回のように、同じ字に複数の読み方がある場合はなおさらです。名前の読み方は、本人に確認するのが最も確実です。

例えば 昶 (chǎng 注音 ㄔㄤˇ)なんかがそうですね。字体からは全く想像できない発音です。

読めない漢字に出会ったら、どう尋ねる?

台湾の人に尋ねる際に覚えておくと便利な表現を2つ紹介します。

1. この漢字はどう読みますか?

繁體字: 這個字怎麼念?

拼音: Zhège zì zěnme niàn?

注音: ㄓㄜˋ ㄍㄜ˙ ㄗˋ ㄗㄣˇ ㄇㄜ˙ ㄋㄧㄢˋ

日本語訳: この字はどう読みますか?

読めない漢字を指し示しながら、このように尋ねれば自然に伝わります。

2. この漢字はどういう意味ですか?

繁體字: 這個字是什麼意思?

拼音: Zhège zì shì shénme yìsi?

注音: ㄓㄜˋ ㄍㄜ˙ ㄗˋ ㄕˋ ㄕㄣˊ ㄇㄜ˙ ㄧˋ ㄙ˙

日本語訳: この字はどういう意味ですか?

読み方だけでなく、意味も知りたいときに使える表現です。

台湾では基本注音符号を使って発音を学ぶので、もし余裕があれば両方を覚えておくと便利です。

まとめ:一つの漢字から広がる中国語の世界

台湾の病院で見かけた「雋」という漢字。最初は読み方がわからず、台湾人の友人に尋ねたことが始まりでした。

友人は「たぶんjùn」と教えてくれ、名前に込められた親の思いについても話してくれました。そこで台湾の教育部の辞典で調べてみると、「juàn」と「jùn」の2つの読み方があり、それぞれ異なる意味を持つことがわかりました。

普段は見過ごしてしまいそうな漢字でも、少し立ち止まって調べることで、新しい発見につながります。

中国語の学習は、教科書や単語帳の中だけで完結するものではありません。台湾での生活の中で出会った人や言葉、何気ない疑問も、学びを深めるきっかけになります。

これからも、わからない漢字に出会ったら、まずは読み方を尋ね、辞典で意味を調べてみたいと思います。

参考資料


台湾・教育部『重編國語辭典修訂本』「雋」

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